第2期キックオフ 第2部講義メモ
03:16:24 第2部開始
03:16:47 國安孝具プレゼン
都市計画を巡るビッグな「まちがい」
2023年日本社会で大きな「まちがい」があったと思うんですよ(國安)
「万博の…リング問題?」(青山)
僕はあれはワンチャン人を感動させる可能性があると思っている(國安)
馬鹿みたいだけどとにかくでかいことに対する感動というのがある
Twitterに上がっているリング建設中の写真を見て、僕もちょっとこれは行ける可能性があると思った(植田)
現実的に言うと万博終わったら中の建物を解体しないといけないけど、リングあったら出せないじゃんと思う(國安)
「ビッグ」なまちがい…
街路樹はなんのためにあるのか?
ひとつは防災
復興計画のキモ「でかい道路をつくる」「街路樹を植える」「公園をつくる」
越澤明『復興計画 - 幕末・明治の大火から阪神・淡路大震災まで』
東京の復興と「まちがい」
奇しくも2023年は関東大震災から100年
震災後郊外が発展
1927年に東京都市計画道路が決定したが、環状八号線は2006年、環状七号線は2023年にようやく完成
戦災復興は東京は全然だめだったけど、名古屋とかはがんばった
首長の資質による
コロナ対策みたいになるわけですね(住本)
住本さんのスライドで「「まちがい」を認めずそれに向き合わないことがまちがいの本質」と言っていたが、東京の都市計画もまちがいに取り憑かれているのでは(國安)
首都直下地震がきたときにかつての計画を完遂させていれば…と思うのかも
(余談)ビッグモーターの店舗をプロットすると、都市計画家の悲願であった環状線が浮かび上がる
悲願の地で街路樹を枯らすというまちがいをしていたわけですね(國安)
03:29:53 THEAZUMINO-OIL「草生えない...」
立法≒主権≒民主主義の「まちがい」
國分功一郎『来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題』
「行政」のほうが民主主義にとって重要なのではないか?
『ゲンロン12』の宇野重規さんと東さんの対談でも行政が重要という話をしていた(住本)
僕は実は立法派ではないので…(植田)
都市計画の「まちがい」と「訂正」
小平の計画は実際ここに道路作るのはひどいなと思うが、 50年前はおそらく他にも雑木林が残っていたのだと思う。むしろ道路計画がかかっていたから残ったんじゃないかという気もする(國安)
03:33:59 manab0rg「雑木林があったから、あのあたりは結核療養施設も多かったのですよね」
ふたつの「まちがい」のあいだでどう考えるか?
完璧な都市計画に対する社会の「まちがい」
現実に対応して訂正できない都市計画の「まちがい」
今回の能登地震で思うのは、道路一本だけじゃ困る、ということ(國安)
ふつうに考えると國分さんの言うように現状に合わせるべきに感じるが、非常時のことを考えると計画もばかにできない(住本)
03:37:30 manab0rg「100年前の方が、災害も戦争も多いから、計画の意味合いがそもそも違うかも知れませんね」
03:37:46 cayies「都市計画は、道路をつくるスピードと用途地域を定めるスピードの差が大きいすぎますよね。用途地域は訂正しやすい。」
ふつうは年限を定めるとかですよね(植田)
あと現実的な災害としては富士山噴火があると思うけど、それに対する対応ができているとは言えない(青山)
03:40:21 manab0rg「富士山の噴火の後、神奈川のある町は三日で溶岩で埋まる、という話をNHKで放送していましたね」
失敗と間違いの時間差の問題(植田)
03:38:21 AhoBon「こんな一箇所の災害で戦争になったら大丈夫なんだろうか」
『復興計画』を読んでいると、結構太平洋戦争中も災害が起きている(國安)
この国で3,4年戦争したら絶対どこかで災害が起こる
関東大震災後に陸軍が首都を韓国に移転しようとしていた(次いで加古川、八王子)(國安)
03:43:58 植田将暉プレゼン
歴史とまちがい
歴史はいかに間違い、どのように書かれ、訂正されるか
「近代日本はどこで間違ったのか?」
間違いの歴史をどのように語り直すか
歴史を書くにあたって「まちがい」とは何か?
わたしと『失敗の本質』
『失敗の本質―日本軍の組織論的研究』
みなさん読まれてます?(植田)
僕は読んでない(青山)
年末に後半読みました(栁田)
前半が退屈だからね(住本)
香川県立高松高校 第一三二代生徒会長 植田将暉の辞
左翼感がありますね(國安)
戦後すぐに男子校と女子校が合併して、二代目の生徒会長が女性だった(植田)
このときに『失敗の本質』を読んでいた
「失敗/成功」はその場で判断されるが、「まちがい」は後から再評価される
失敗:リアルタイム
まちがい:後に評価
現れ(presentation)と表象(representation)の違い
昨日正午、修士論文を出しました!
自然の憲法学
自然の人類学
修士論文とまちがい
締め切り28秒前に提出
締め切り1か月前から書き始めた
私もこんなもん…(栁田)
ふつう途中で0になったりするのでは(國安)
04:04:55 tokada「修士論文はギリギリがデフォルトな気もする」
現代思想的なものと、憲法学的なものをどうつなげるかに13万6千字かけた
歴史家に嫉妬する蓮實重彦
『凡庸な芸術家の肖像』とかはまさに歴史家になろうとした本(住本)
消費社会が花開いた19世紀後半のパリと、80年代バブル期の日本の対比
『ボヴァリー夫人論』刊行のタイミング
「大きなもの」なくして「まちがい」なし
僕は修士論文を書いたことによってまちがえられるようになった(植田)
小さいことばかりしていると、大きいものが見えなくなる(青山)
大きなもの、思想的なものをまちがいを含めつつ語らなければならない(青山)
04:29:00 「まちがいの本質」とは
今の社会でまちがいを認められないのは、信頼性が欠如しているから(青山)
ポリティカル・コレクトネス、正しさに固執するのは信頼がないから(住本)
信頼できる場としてゲンロンセミナーがある。ここにくればいろんな「まちがい」に向き合える!(栁田)
信頼できる小さな場を作るのは状況論としては正しい。しかしそれは閉じこもることでもある。それに対する抵抗も必要では?(青山)
04:37:49 tokorodesu「今回の大テーマの、まちがい、がひらがな表記なのは理由があるのかしら?」
見栄えがいいから?(住本)
人文系の人たちの特徴として漢字を開きがち。ひらがなにすることで違和感が生まれて概念として受け取れる(植田)
ひらがなにするとみんなで考える対象になる(住本)
04:41:23 最後に一言
みなさん通し券買ってください!(住本)
【ゲンロン・セミナー 第2期 1000分で「まちがい」学】全6回通し券 | Peatix
この分野は興味あるなというのがあると思うんですが、我々を信頼していただいて通し券を買ってほしい(國安)
今日あんまりAIの話をしなかったけど、生成AIの登場によって逆に人間的なありかたが見えるようになっている。それを過去から捉え返すことは重要だけど、それだけだと未来に対してわくわくしないと思う。人間の想像力について考えるというのもテーマにしたい(青山)
とにかく2月3日に向けてまじで頑張るので通し券でも単独でもお求めください。納富先生が外で講演すること自体も貴重です(栁田)